私はExcelの専門家なので、普通よりはExcelに関わることはわかっているのですが、そこまでに至るまで、苦労はしたものの、勉強をしたという意識があまりありません。
というと、専門家でわかってるからそう言えるんだと言われてしまうのですが、なにもただ、そういっているわけではなく、Excelの捉え方ひとつで、Excelが自然と上手になるようになるという道筋が見えたのです。
暗記や勉強ということではなく、経験を通して上手になっていくということをお伝えしたいと思いました。暗記のように必要なことを全部覚えるのではなく、それぞれの機能の呼び出し方を覚えていればよいのです。また、興味を持ってExcelを使うことや間違った時がExcelを学習するチャンスなのです。
この記事では、今までのExcelの勉強法で覚えにくいなと思っていた方にも、Excelをうまくなっていただける考え方を説明します。
勉強しない。経験する
Excelは、Excelを使うことが目的なのではなく、仕事にしても他のことにしても、何かを成すことがあって、それを叶えるためにExcelを使うものです。その何かを成すためにExcelという道具を使わないでできるのであれば、使わなくてもいいのです。
しかし、Excelを使うことによって、より早く、簡単にそのゴールができるのであれば使うべきものなのです。
お料理をするのに電子レンジがあれば効率的にできますが、電子レングという道具の適切な使い方を知らなければいけません。それとExcelは同じで、仕事を効率よくするための道具としてExcelを使えなければならないのです。
しかし、電子レンジの使い方をわざわざ勉強する人はどのくらいいるでしょうか。買ったときに取扱説明書をざっと読んでもう使い始めませんか?それは勉強ではないですよね。もし使い方がわからなくなったらその都度調べて覚えていく。これは勉強のようで勉強ではないと思います。
わからないことがあったら調べる、実際にやってみる。これは勉強ではなく経験なのです。
電子レンジもExcelも「製品」なのです。本当は覚えなくても見ただけで常識的に使えるようになっているものが製品だと思います。Excelもすべての人がイメージしやすいように作られているはずなのです。
そのような基本となる、イメージしやすい使い方を素直に見たままで使うことによって、勉強ではなく、経験としてExcelがうまくなっていけると僕は思っています。
覚えないで済むようにする
僕が今まで覚えたExcelのことを振り返ってみると、30年かけて覚えてきているので、かなり膨大な量になっています。それを今すぐに覚えるような魔法はありません。
ここまで覚えてきて思うのですが、実際には自分にとって使う機能や関数、使い方ができればいいのです。
もし就職のために資格が必要なら資格に出てくるものは覚えなければいけないですが、それも全部を覚える必要が本当にあるのかということです。そういう操作ができることだけ覚えておいて試験の時に思い出せればそれでいいような気がします。もちろん上級の試験ではその範囲も広がるし、知識試験がある試験であれば知識として蓄える必要がありますが、それも必要最小限だけでいいと思います。
Excelを覚えてほしいのは、Excelの一つ一つの機能や関数のことではないのです。それら共通の呼び出し方があるので、その共通の呼び出し方をひとつ思えておくだけでいいのです。絶対に丸暗記で覚えるものではありません。
共通の呼び出し方というのは、「リボンの使い方」「右クリックでの呼び出し方」「ショートカットキーでの呼び出し方」の3つです。
この3つ使い方を勉強ではなく、体に染みつかせることで、その後に新しいExcelの使い方が出てきても対応できるようになります。