データは単独で見ずに比較してみる

『佐々木さんは昨日だいたい3000回「あ」と発音しました。』
って言われたら、何がわかりますか?
そうですか、くらいしか言えないですよね。興味ないし。
では、
『あなたは昨日30回「あ」と発音しました、佐々木さんは昨日だいたい3000回「あ」と発音しました。』
佐々木さん、いっぱい発音してるな、または自分はあまり発音してないなって思いませんか?
物事は比較の対象があってこそ、はじめてわかるものだったりします。
今回はその比較についてお話します。

他人との比較

比較で一番多いものは、自分と他人を比べるということです。自分がどこにいるのか、またはあまり私は好きじゃないですけど、勝ってるか負けてるかという考えもあります。
比較するのは、自分の実績と他者の実績です。
1対1ならそのまま2人の比較ですし、1対多数なら、自分の実績と多数の平均を比べることになるでしょう。もっと分析すれば、順位とか偏差値とかという話になります。

目標との比較

物事には目標値があるはずです。
目標がなければ、売上と利益は無限大だし、費用やコスト、かかる時間は0が目標という現実的ではない値を「努力」目標にすることになります。これはビジョンとしては全く成立していません。
その目標に対して現段階で何%まできているのか、最終的に目標は達成できそうなのかを見ていくことになります。

過去との比較

時間軸の違いによってよくなっているのか悪くなっているのかを比較します。
過去のある時点と現時点を比べることもあるでしょうし、過去数年との比較をすることもあるでしょう。
次のグラフを見てもらうとなんとなく言いたいことが伝わるのですが。

これはあるお菓子屋さんの打ち上げ(万円)の推移です。
今年は2018年として、どうだったのか、よくわかりません。
わかることは、2月3月はバレンタインデーとホワイトデーで高いのかな、12月はクリスマスかなということが毎年続いてるということです。
2018年、果たして成長しているのでしょうか。
それを見るためには前年同月比という、前年と比べてどうだったのかを見る方法があります。
2018年の各月÷2017の各月-1で求め、2018年の実績と一緒に複合グラフで表します。
-1は100%を引いてやると、0%を基準に上下が見えるためにしています。

去年に比べて残念ですがバレンタインが売れなかったようですね。夏は好調だったようです。
ということは、去年に比べてバレンタインに向けてやったこと、やらなかったことは失敗で、夏にやったことは正解だったということになります。
でも、去年がたまたま変な傾向だったのかもしれないですよね。
そうかどうか調べるには、2018年÷過去数年の各月の平均値-1を見てみればわかります。

前年比でみると5月はかなり落ち込んでいたのですが、過去4年比では大丈夫ですね。何より1月と6月はかなり成功しているといえるのではないでしょうか。
ということで、過去と比較することで物事は見えてくるという比較でした。

前後との比較

次のデータを見てください。ある商品の1年間の売上個数の推移です。
順調に上昇傾向ということがわかります。
実はよーく見るとわかるのですが、6月前半と、12月後半に10くらい少し低くなっている日があるのです。

この3000くらいの値のうちの10では、全く目立たなく、見逃しがちです。
それを見つける手法なのですが、次のように処理すると良いかもしれません。
まず、売上のデータを前後3日間、合計7日程度の平均値をすべての日付に対して求めます。

 

 

 

 

 

 

 

平均値なので、ギザギザが見えにくくなりました。
そしてそれぞれの日付の売上を平均値から引きます。

全体的な上昇傾向が差し引かれて横に±2くらいの範囲に入るようになります。そしてそれ以上の異常値が6月の前半と12月の後半に出ているのがわかります。
今は引いてみたのですが、売上÷平均-1で求めるとパーセンテージで変化量を見ることができます。


金額だと割り算のパーセンテージ、寸法や重量などの工業的なデータだと引き算のことが多いようなイメージを持っています。
実はこれは、微分積分の本当の基礎なのです。
ビブンセキブンってみなさん苦労されてると思うのですね。
でも、実はこれだけのことなのです。
平均値を求めて全体的な傾向をつかむのが積分、実際の値から平均値を引いたり割ったりして特徴のあるデータを求めるのが微分です。

まとめ

Excelで数値を操作することはあっても、そのデータを分析するということはあまりしていないのかもしれません。
しかし、Excelならば、こういうことが手軽にできます。
データ処理の仕事がひと段落したらこういうようにそのデータを分析してみるともしかしたら今まで誰も気づいていなかった傾向が発見できるかもしれません。

コメント

  1. […] 比較について、こちらの記事で書いたのですが、もうちょっと基本について話したいと思います。 比較するというは、引き算なのか割り算なのかって悩みますよね。 また、どこからど […]

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