先日、Twitterでこんなことをつぶやきました。
PhotoShopも表計算に見えてきた。
— 佐藤嘉浩(Excelの魔法使い・スピルのひと) (@yosatonet) 2019年3月7日
ああ、サトウさん、とうとうここまで来ちゃったかと思った方、ご心配をおかけしましたが、実はそれほど疲れていません。
なぜ、こんなツイートをしたかというと、本当にそう感じたからです。
大丈夫ですよ、正気です。
では、その理由をちょっとした数学的なお話を盛り込みながらしてみましょう。
ぼかす
PhotoShopは画像にいろいろな効果を出すソフトで、写真をぼかしたり、逆にエッジを絶たせたりするわけですが、そのぼかすという動作はコンピュータでどう処理しているのか、Excelで説明するとわりとわかりやすいので、説明します。
くどいようですが、正気です。
ぼかすというのは、周りの境界となだらかにするという意味ですね。
Excelでいうと、斜め線はこんな感じで入っています。
カラースケールにするともっとわかりやすい。
では、その斜め線の入った表のセルの上下左右1マスずつ、9つのセルの平均値を求めてみます。
するとこうなります。(小数点以下は表示なし)
カラースケールにすると、ほら、ボケてませんか?
コンピュータで画像処理するってものすごく複雑なことをやってるようで、Excelでも再現できちゃうような単純な計算の積み重ねなんです。
シャープ
今度は境界をすっきりさせるシャープについても実験してみます。
こんな表があります。
カラースケールにすると斜めにグラデーションになっています。
実はこの中の1セルだけ周りと法則が違くなっているのです。
それを抜き出してみましょう。
元の表を、先ほどと同じようにぼかします。
ぼかしたのですが、もともとグラデーションでボケているのであまりボケ具合は変わらないかもしれないですね。
では、元の表からぼかした表を引いてみます。
すると、ほんの少しの差しかなく目立たなかったセルが浮き出てきました。
これがシャープです。
PhotoShopで強烈にシャープをかけると、境界線の周りが少し暗くなる時があるのですけど、この表みたいにマイナス側に触れちゃうからなんですね。
まとめ
画像処理のぼかしやシャープは、数値演算によるものだということがわかっていただけますと幸いです。
これって、実は微分積分なんです。ビブンセキブン難しいですか。
えーと、私の知ってる分野で電子回路の世界があるのですが、電子回路の世界での積分回路というのは変化を緩やかにするものです。逆に微分回路というのは変化をより際出せるものなのです。
統計学の話に飛びますが、全体の変化がどういう傾向なのかを見るのは、なだからにして大局を見るので積分、変化点をより際立たせるには元のデータからなだらかにした値を差し引き、変化のところだけ抜き出す、微分なのです。
そう考えると数学も意外と面白いかもしれないですね。
すみません、実はそんなに微分積分詳しくないです。
コメント