ビジネスとは収入と支出を繰り返す活動なのですが、それに伴って企業間でやりとりされる文書があります。
なぜ、そのような文書があるのでしょうか。
ズバリ、間違いのないお金のやり取りをするためです。そのための確認するためのもの、集計する時に間違わないようにするためのものです。
企業間でのビジネス文書
物品を販売する場合、必ず仕入れをします。工場であれば部品や材料の状態で購入しますし、商社であればお客様に納入するものをそのまま購入するでしょう。また、特別なスキルや工事を頼む場合は外注費という費用がかかります。
それで納品するものが用意したら販売します。実際に販売するものを用意してから販売するケースと、注文が来てから仕入れし用意できたら販売する受注生産のようなケースと2通りあるでしょう。
販売したら売上という形の収入があります。
以下に、費用と売上に分けてどんな文書があるか説明しましょう。
発注側として作成する文書
- 見積依頼書
いくらくらいで購入できるか初めに知り予算を立てるために見積を依頼する文書です。
どんな内容のどんなものがほしいか、いくつほしいか、納期、いつまで見積もってほしいかも書きます。
同じものを複数の取引先に見積もらせることを相見積もりといいます。
ものを買う時はできるだけ短納期で安く買いたいですね。その時にどこから買ったらいいか選定するのに相見積もりします。
相見積もりで注意したいというか恥ずかしいのは、A商社とB工場に相見積もりすると、見積依頼を受けたA商社がB工場に見積を依頼することも多いです。すると、もちろんA商社では中間マージンがかかるので高くなります。この時にB工場から「A商社にも見積頼みましたよね、その見積、うちにも来てますよ」って言われるとちょっと恥ずかしいというか、何か無駄な仕事をさせてしまったような感覚になります。買いたたきのために相見積もりをすることもあるのですが、「今回は他のところにも相見積もりしてます」みたいにはっきり言った方がいいかもしれません。
あと、発注先が決まっているにも関わらず、社内で金額検討しましたと言うために相見積もりをすることもまあまああるのですがこれは相見積もりされたほうはたまったものではないので、できればやめましょう。
あと見積依頼は無料というイメージがありますが、実は一回目の設計やコンサルティングする時間を使うので、費用がかかる場合もないわけではないので、(私も見積もりは有料です)むやみやたらと見積ができるわけではありません。
そのためにもしっかりとした見積依頼書で、私の見積依頼は正式なものです。と意思表示するのが大事です。
また、ちょっと見積相談しただけで発注となってしまう業者も結構います。見積りしただけなのに知らないうちに収めるものが完成して請求されたということもあります。ちゃんと今回は見積りまでと伝えましょう。
1つの取引先に見積依頼しても、こちらの予算や納期、性能の意図を組んだ見積書が出なかった場合もあります。その時は何度も納得するものをお願いすることになりますが双方の大きなデメリットになるので、ちゃんと打ち合わせしておきましょう。
見積書ってなんだか闇の深さを感じています。それだけにしっかりやらないといけないと思っています。 - 注文書
商品を購入するという決定をして、正式に発注するときの文書で、商品、個数、単価、合計金額、納期を書きます。
いつも買っていて、金額や納期の決まっているものや文房具などの消耗品は、見積なしで注文書を発行することもありますし、紙での注文書ではなく、Amazonやたのめーるみたいな専用の注文システムに入力することで注文書になるケースも多くなってきています。
正式注文なので間違えないように、そして誤解のないように書きます。
また、注文を受けた側が、間違いなく注文を受け付けできるように箇条書きや表を使って見やすくする配慮も、結果的に発注側にとってもよいことになります。 - 仕様書
注文書とあわせて発行する、注文するものがどんなものなのかを詳しく書いたものが製品仕様書です。これは見積もり段階で発注側と受注側とで協議して決めるもので、取引規模が大きい場合はあったほうがよいでしょう。納入までのスケジュールやチェック体制、納入時の梱包や運送方法まで厳密に書いてあるケースもあります。理想は発注者、受注者双方で作成するのがよいと思いますが、それもケースによりけりですね。 - 検査書
収められたら、製品が仕様書通りか確認します。この確認し納入を確認することを検収といいます。検収の際の検査を行いますが、その結果を検査書にし納入元に提出します。検査は双方立ち合いで検査することもあるので、受注者側が作成することも多いです。 - 受領書
受け取ったら受け取った証拠として、受領書を発行します。 - 支払書
金額の支払の内容を示した書類です。フリーランスではじめて報酬があったとき、見積額と乖離した金額が振り込まれたので焦りましたが、実は、支払額は消費税が足され、報酬額より源泉所得税が引かれます。この税額は調べればわかるのですが、ちょっと複雑な計算をしなければならないので、わかりにくいのですね。それを明示してくれる文書なので、お金をいただく方はありがたい書類なのです。
受注側として作成する文書
- 提案書・企画書など
顧客に、どんなものを提供できるかを伝える文書です。
おそらく書面だけでじゃなく説明の機会も必要な文書で、打ち合わせで使う文書です。 - 見積書
見積依頼に対して、どんな商品が金額いくらで、納期がいつでと記載し、提示する文書です。一緒に誤解がないように仕様書を添付することもあります。 - 受注書・契約書
あまり書くことはないのですが、発注を確かに受けましたという文書が受注書です。大きな案件の場合は、契約が成立したということで契約書を取り交わします。契約書は双方が納得した形で発注前に詰めておくものので、作成自体は受注者が行っても、発注者、受注者双方で考えます。
私は契約書の作成は慣れていないので、契約書は依頼していただく方にお願いして作っていただくか、書士さんにおまかせしています。 - 納品書
製品を納めた際に、収めた日付、内容と個数を提出し、間違いなく納品したことをお知らせします。 - 請求書
納品書と同時に、金額を請求する文書です。納品内容と支払条件(振込など)、支払日について記載します。支払日は協議のうえ決めますが、私は基本的に発注者様の決まりに従い、もし決まりがなければ、当月末締め、翌月払いと決めています。
翌々月払いでやっていたら、結構資金が回らなくなってことがあります。。。失敗。
案件ごとに発行する場合と、月に収めたものまとめて請求する場合もあります。
また、受注側の予算の枠取りの関係上、3つの商品を納めた時に3つの請求書に分けるときもあります。見積書も同様です。あとでそれが発覚するケースもあるので、できるだけ初めにどんな形で書くかお伺いしています。 - 領収書
必要に応じて領収書を発行します。領収額は、見積金額と同じ額を消費税とあわせて書きます。必要のないケースもありますので、受注者に確認しておきます。
領収書は確かにそれを払いましたという証明書で、受注側の社内で出金伝票とともに処理されるので、出金伝票に起こしやすい形になっているとよいかと思います。
まとめ
実は私自身、そこまでこのような文書に詳しいわけではなく、また慣れていないので、ちょっと自分でも整理するために書きました。
この他にも社内だけでやりとりする文書もありますので、それは別の機会に。
今回、書いてみて思ったのは、金額だけではなく、実際の商品の授受についても金額と同じだけの気遣いをしなければならないということ、どうしてもお金の方が価値のあるものに感じて気を遣うのがお金のほうだと思いますが、商品も財産の一つなので、分け隔てなく、しっかり書類を作らなければならないなと思いました。
フリーランスで一番よく使うのは、請求書です。次が見積書、仕様書、契約書。それぞれいる場合といらない場合がありますが、だいたい請求書はどんな小さな取引であれ、発行します。
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