次の見積書を見てください。
どれが何かはわかりますよね。
でも、これ、はっきり言うとカッコ悪い表なんです。
悪いポイント
- まず、かっこ悪い云々の前に、Excelなど、コンピュータで処理した表として悪いポイントを解説しましょう。
金額が文字で万円単位。
これは悪いことは悪いのですが、後でなんとかしようとすればできるものなので、実はそれほど影響はありません。
- 件名に対し金額の記入されている行に法則がない
1件の案件が件名に入力されているほぼ中央に金額が記入されています。
人間なら判断できます。しかし、この見積書をもらって、手入力するならいいですが、これからの時代、OCRなどで自動取り込みするかもしれないし、Excelファイルで渡されればそのままこのデータを自社のシステムに手軽に入力したいですよね。
その時に、ほぼ中央という決まっていないところに入力すべき項目が入っていると、自動化がとんでもなく難しくなります。おそらく厳密にやろうとすれば優秀なRPAでも無理です。
- 山形の件名がどこからどこまでが件名なのかがわからない
山形のセクションで見ると、1行目に「ご参考」という本来の件名ではないものが入っています。
さらに、但し書きが1行空いています。
自動化する時には、空白行の下に入っているものを件名とする、というように法則を決めて取り込みます。
この法則だと、山形の件名が「ご参考」で100万円になってしまいます。
さらに但し書きが金額なしの1つの件名になってしまいます。
- 値引がカッコ書き
値引の行が追加されているのですが、カッコ書きで文字で書いてあります。
これは、実際にデータとしての意味合いは、重要なのでしょうか。
データの重要さは見積書を作る側が決める話ではなく、見積書を受け取った側が稟議書などに値引き前の金額を書くのかどうかは決める話です。
だから、このように金額欄に、支払額に影響するものなのかどうかのコメントが入っているとどうしたらいいのかわかりません。
このように自動化するうえで、とても問題が発生する形になってしまっています。
なんでかっこ悪いの?
じゃ自動化なんかしなきゃいいじゃない。
かっこ悪いまで言われるくらいなら自動化なんて考えなくていい。
それでもいいですか?
何度も言いますが、ビジネスにおける社外文書は、当然ですが他社が受け取る文書です。
他社がその書類をどう使うのかわかりません。
正直、そこまで関知する必要はないと思っていますが、でもやっぱり思いやりは持っておきたいものです。
例えば、提出するのがシステムに詳しい会社だとしましょう。
できるだけもらった書類は入力せず、オートで登録されていくような仕組みを持った会社だとします。
そうすると、上のような書類が来た時に、ああ、コンピュータを使って作っているけど、作ってるだけで自動的になにかする会社じゃないんだなと思われてしまいます。
そうすると、何がわかってしまうかというと会社の無駄があるかどうか、真剣に仕事をしているかどうかがわかってしまうのです。
別に最新のシステムである必要はありませんし、そこまで他社が要求することもないです。
しかし、社外文書は端的に情報が整理され、人間が見ればわかるではなくて、コンピュータで自動化して取り込むことができるくらいに情報が整然としている必要があります。
いい表の例
実はいい表にするのはそんなに難しくありません。
単純に件名と同じ行に数量と見積額を書きます。
そして件と件の間に空ける行数を一定にします。
こうすることで視認性も失われず、件名に1行空いて、次の行から次の件名が始まるということで法則が決まりますし、金額入力行が件名だから、とりあえず金額入力行だけ取り込むということでもデータに登録できるのです。
まとめ
Excelの最も大事な使い方は、テクニックや関数ではなく、それも大事ですが、こういう表の作り方ができるかどうかで決まります。
これを全社員に統一するだけで、ルールが決まるので、レイアウトで悩む必要がなく、1日10時間人のコスト削減につながるのも夢ではないし、企業のイメージアップにもなるのです。
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