Excelでデータを蓄積する場合は、蓄積する形を意識しないといけません。
原則的には次のようなルールがあります。
1項目1列
データは列に項目ごとに記録していきます。
データの入れ物を考える時はどの列にどの項目を入力するのか考えます。
販売一覧表であれば、A列には日付、B列には販売先、C列には商品、D列には販売額という形を決めておきます。
1行1件
それぞれの列に入力するものは、 1行ごとに1件ずつ入力していきます。
何年何月何日に、どこに、何の商品を、いくらで販売したかと記録していきます。
1回の行動を日記のように一行に入れていく、自由に記述するのではなくきちんとそれぞれの列に何を入れるか決めて入力していく、とすることで間違えが起きないように入力しやすくなるのです。
1行目にはそれぞれの項目の項目名
それぞれの項目が何を表しているか分からなくなるので1行目には、それぞれの列が何を表しているかを示す項目名を入力しておきます。
データに抜けがないこと
例えば入力する販売日が上の行と同じ日なので空欄にしておきたい、ということはコンピューターを使ったデータを蓄積するものではやってはいけないことです。
きちんと全ての行に全てのデータが入っている必要があります。
もちろん売上金額が現時点で決まってなければそれは空白でも構いません。
空白があってもいいのかなくてもいいのか、その区別がつきにくいかもしれません。
それは次のような考え方をしてください。
コンピューターはあくまで、行と列でデータを把握します。
やってはいけないケースとして、 上と同じ日付なので販売日を入力しないとしましょう。
このデータで3月の売上金額を集計する場合、コンピューターはまず売上日が3月のデータだけを集計の対象とします。ここで日付のデータが入力されていないところは日付がいつか分からないデータということで、集計の対象から外してしまいます。
月ごとの集計をしない、全体の合計金額しか把握しない、だから入力しなくてもいい、と考えるのは間違った使い方です。
データを蓄積する以上、どんな集計をされても大丈夫なようにしておかなければなりません。何よりもデータは整然としている必要があります。
あくまでそのデータを集計する時にそのデータを扱うのは人間ではなくコンピューターです。コンピューターの把握しやすい形にしておかなければコンピューターがどんな誤解をするかわかりません。コンピューターに優しい形で入力していなければならないのです。
やりたくないからやらないという理由では、入力に空きを作る理由にはなりません。
次に、販売したものの請求金額がまだ最終的に決まっていないという場合を想定して、販売金額欄を空欄にしておくという入力の仕方です。これは明確な空欄にする目的がある場合です。
この場合において3月だけの売上金額を集計する場合、当然、そのデータは0として計算されます。先ほどのやってはいけないケースと違うのは、集計の対象にはなるが、計算されているのは0で計算されるというところです。
データベースとしては販売はしたけども0円で販売したと判断されています。
請求金額が決まっていない販売の金額を空欄にする場合、販売金額は0円になることを分かった上で空欄にするのであれば問題ありません。もしそれが嫌なのであれば、暫定的な金額を入れるなり、とても大きな値を入れるなりすれば0ではなくなります。ただしどの場合でも最終的な請求額が決まってない以上、正しい集計をすることは不可能ですのでそれはきちんと把握しておきましょう。
販売金額を空欄にするケースで気をつけなければならないのは、3月の販売件数を調べる時です。コンピューターは、一覧表から様々なものを集計する時に次のような考え方をします。
1・一覧表から必要なデータを抜き出す
2・集計する項目名を指定する
3・指定された項目名で集計する
あまり人間は意識できないのですが、2はとても重要な要素です。
「一覧表のデータのうち、条件にあてはまるものの合計を求める」
これだと何の項目の合計かわかりません。
「一覧表のデータのうち、条件にあてはまるものの販売金額の合計を求める」
と、きちんと主語を入れて考えることが重要なのです。
しかし、この考えも合計なら分かりやすいのですが件数になるとあやふやになります。
「一覧表のデータのうち、条件にあてはまるものの件数を求める」
「一覧表のデータのうち、条件にあてはまるものの販売金額の件数を求める」
どちらも同じ意味のように思えます。
しかし、販売日や商品名を入力されていて販売金額だけが空欄の場合、どの項目で件数を数えるかによって差が出ます。
よって、件数の場合も主語をきちんと設定する形で集計する必要があります。
特にその項目が、決定していないから空欄になっているだけで決定した後にはきちんと入る項目なので、決定前であれば販売日で件数を数え、決定後であれば販売金額で件数を数えるという区別をしなければいけません。
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