DX(デジタルトランスフォーメーション)という新たなITの概念が出てきました。
簡単に言うと、「今の」デジタル機器でできることが昔に比べて格段に増えたので、それを仕事で使うことを考えてみたら、もっと今までと違う仕事の仕方が出来て、質を向上できるという考えだと理解しています。
しかし、現状では「入力してコピペして複数の表に反映させる」という従来の作業から脱却できないでいるような印象を持っています。
デジタルで何かを変化させるというよりもデジタルでできる世界自体を相転移(水が温度によって氷や水蒸気のように見た目や性質が変わること)させなければ進歩がないと思いました。
これはExcelが登場して数十年立ちますが、Excelが登場した時にやっていた「入力、コピペ、印刷」の世界から抜け出せていないことに繋がります。
Excelで起きた革命
Excelが仕事の現場に登場して、何も変化がなかったわけではありません。
Excelが登場し、実際にビジネスシーンへ浸透したのは、IT革命という一つのDXが起きた2000年ころです。その時点でマクロを自在に操っていた人がビジネスシーンへExcel及びExcelマクロを浸透させました。
Excelの再計算機能によって自動的に何かができる、マクロによってワンボタンで操作できるというのは仕事のあり方を変えました。
それまで手作業だったものが、Excelにより自動的に結果を一瞬でアウトプットできることとなり、その結果、仕事がスムーズになっただけではなく、手作業によるミスの削減、またミスによる前工程への戻り作業も減りました。
しかし、自動化した内容は今まで手作業だったものを機械的に処理した、というものになっていました。それでも十分に便利だったのです。
それが現在まで続いているExcelの使い方です。
Excelの進化に合わせた仕事の仕方
Excelはどんどん進化してきています。新機能もたくさん追加されました。でも、やっていることは、結局は手作業でやっていた入力内容のコピペなのです。
さまざまな一覧表を管理するうえでコピペだけでも十分便利なのですが、そこがゴールで本当にいいのでしょうか。
例えば自動的にコピペができることで、仕事の中でもっと何ができるようになったのかをそれを追求したいですし、いろいろな機能を使って、一覧表に囚われないやりかたでもっといい処理の方法を見つけることはできないのでしょうか。
例えばExcelで住所録を作る場合、郵便番号の他に住所を入れますが、郵便番号を入力すれば住所の一部は確定するので、住所はそれ以降のみ入力してあればいいはずです。
今の住所録は、郵便番号、住所、名前を全部入れます。それは、本来同姓同名がなければ名前さえ入力すれば郵便番号と住所は確定するし、同姓同名の問題を解決するために個人IDを使って管理すればいいのですが、そのような管理をせずに、全社で使う住所録、営業部門で使う住所録、3月にDMを発送するための住所録、それらすべてに郵便番号、住所、氏名を入れていて、それを作るためにマクロでのコピペをしているということがあります。
このような話は、私は異常事態と感じますが、職種や業種によっては何が異常なのかわからない、そのようなことも大にしてあります。
これはExcelのPower Queryを使えば一元管理できますし、大量に住所録ファイルを作る必要もありません。
そもそも、住所録をこのように管理しないもっと効率的なやり方がそろそろ出てくるのではないかと思っています。
紙ベースは紙ベースでも構わない
中央省庁でははんこ文化やFAXがなくなるということが進んでいます。
しかし、紙ではないと対応できない人や業種は存在します。紙ではないと馴染めない、紙で記録を取っておく文化から離れられない、紙で確実な情報のやり取りをしたい、なにより法的に紙でなければならない、といった理由でペーパーレスが出来ない場合もあります。
それは文化として許容して、ならどうするかを考えることが重要で、OCRを使うとか、そのような手段を選んでいくのが懸命になってきます。
まとめ
実はPower Automete Desktopの登場で、新たな相転移をビジネスシーンにもたらせる可能性があると思っています。
Power Automete Desktop自体は、個人ユース、あくまで自分のパソコン上で動かすことがコンセプトのような気がしていて、実際の業務に使えるのか、使っていいのかはよくわかりません。
しかし、RPAというコストがかかるものだった自動化の手段がWindows10ユーザーに限り無料で使えます。これは、世の中にRPAがどんなものなのか、デジタル推進する立場の方だけではなく、一般層にも自動化で何ができるのかが広まるチャンスだと感じています。
Excelがビジネスシーンに入っていったのと同じようにPower Automete Desktopを使えるビジネスパーソンが増えていくことも予想され、それによって新たな仕事の仕方が生み出されるような楽しみがあります。
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