表紙には書いていませんが、ワークマンでは「エクセル経営」というExcelの使い方をしていてそのことに関する本と言う事で購入してみました。
ワークマンではExcelによる業務改革が成功しているという話は前から聞いていたのですが、実際にどのような手法でどのようなことをしてどのような効果があったのかわからなかったのでそれを知るためという目的もありました。
読み終えてみると、具体的なExcelの話の部分は全体の1割くらいしかありません。
しかし、そのExcelの内容が本来のExcelの使い方であるデータ分析に特化した使い方での成功例で、しかも費用削減のためのデータ分析もしているのでしょうけど、売上を上げるためのデータ分析がとても力が入ってやっていると読めました。
売上データとして蓄積されているデータは、今、企業ではどのように使われているかと言うとデータ分析に入って使われているのではなく、請求書を作成したり確定申告のためだったりという目的でしか活用されていないという話をよく聞きます。もったいないとは思っているのだけど、分析するためのツールを作成するコストが大きくてやれないという話も聞いています。
Excelでは、特にツールを作ることもなくデータを分析することもできます。データを様々な角度で分析してみるというのもピボットテーブルを使えば簡単にできることです。そこで発見された定期的にチェックしたい傾向があればそれは自動的に求められるように何かの仕組みを作ってもいいでしょうし、もちろんExcelでも対応できる可能性もあるので、さらに安価に作れるのではないでしょうか。
この本にはデータ分析の手法は一切書いていません。私が見た限り、データ分析に絶対必要なピボットテーブルという言葉でさえ一箇所でしか見ていません。そのような情報については宣伝になりますが私の電子書籍やオンラインセミナーなどで学習することができます。
この本の本質はやはりそのような使い方ではなくなぜそういうものが必要なのかということがよくわかりますし、会社を経営することをよくよく考えれば当たり前にやらなければいけないことが書いてあるので、共感度も高いので読みやすいです。なぜこういうことを言っているのかなっていうことを考えて自分の中で納得すると言うプロセスができるので、どうしてExcelを使わなければならないのかということが腑に落ちます。
Excelという一般的なツールを普通に使いこなし、社員一人ひとりが自分の会社のビジネスデータに対して興味を持って自らの手で何かあった時にそれはどういうことなのかを分析するということが大事で、例えば会議で数字を実感するために電卓を持ち込むというのがありますが、ノートパソコンを持って行ってExcelで議題に上がったデータを分析しながら会議に参加して行く、といったことが普通に行われるというような環境を作れるといいなと思いました。
「エクセル経営」をするためには、その土壌が必要。
そのためには、経営にとって不要なことを「しない」ことが必要で、でも、それも当たり前のことで、それができていない今の社会ってなんなのだろうな、と考えさせられる内容でした。
この本は、本来、Excelを勉強する前に、Excelはなぜ存在するのか、なぜ使うのかを知るために必要な内容が書いてあります。
初心者にはこの内容は難しいかもしれません。自分はなぜExcelを勉強するのかをこの本で自分の中で整理しながら、基礎を並行して勉強していくのが最も効果があると思います。難しいからとか、目先のExcelのテクニックを覚えることが重要とかという理由でこのような操作が紹介されていない本を読まないというのではなく、Excelを学ぶ本質はこの本に書いてることだ、ということがとても重要なのです。
なぜExcelを勉強するのか、Excelはなぜ使われるのかを知らないままExcelを勉強したり、経営的な視点以外の目的でしかExcelを使っていなかったりする人にもおすすめです。
Excelというツールを100%引き出して使うにはこの本に書いてあることはとても大事なことなのではないかなと思っています。
Excelの内容はほんの30ページくらいですが、とっても重要なExcelの知識が詰まっている本でした。
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