資格試験IC3とは

普段からWordやExcelを使っている方は多いかと思います。

そのWordやExcelで作成したデータを保存していると思うのですが、保存したものはどんな形になるかと言うと、「ファイル」という形になります。その保存したファイルは、パソコンの作業を終えて電源を一度落とした後、次にまた呼び出すことで続きの作業が出来るようになっています。このファイルはパソコンのどこに保存されているのでしょうか?ただ保存をした場合だとドキュメントという場所に保存されるのですが、このドキュメントのような場所を「フォルダー」と呼びます。このようにファイルはフォルダーの中に保存されるのです。このファイルやフォルダーはパソコンの装置のどこに保存されているのかと言うと、それは「ハードディスク」という装置の中に保存されるということになっています。このように保存されたファイルは、Windowsの機能であるエクスプローラーによって、削除をしたり移動したりすることができます。こういったパソコンの装置のことやWindowsの機能のことについては、WordやExcelの代表的な試験である「MOS」試験では勉強することができません。しかし、パソコンを使う上でパソコンがどのような構造になっているのかということや、ファイルやフォルダーの扱い方といったことは基本的な部分だけでもできなければ、仕事の進め方としても知識が中途半端になるので効率が悪かったり、仕事自体に支障が出たりするかもしれません。

パソコン利用者として最低限知っておかなければならないコンピューターの知識やネットワークのこと、法律的なことといった知識を勉強できるのが資格試験IC3です。

受験方法

試験は随時試験で、全国の指定された試験会場で実施されます。受験する1週間くらい前に、指定の試験会場に直接申し込む形になります。指定の試験会場は、IC3の公式サイトに掲載されています。試験はCBT形式と言う試験会場のパソコンを使って行います。知識に関する科目は選択肢のから選ぶような形式、実技は操作画面を操作する形式になっており、このような問題が順不同でどんどん出題されます。試験の時間は50分です。

合格率

合格率は非公開なので不明です。私自身は合格率が100%ですので、当然ですが、IC3の試験を理解し、パソコンに対する知識とスキルがあれば100%合格できる試験と言えるでしょう。

難易度

従来のグローバルスタンダード5バージョンでは、近い方向性の試験であるITパスポートに比べれば、難易度は6割から8割程度と低いと思います。実技試験がある、利用者目線の試験であるという独特な特徴があるため、ITパスポートを合格したからといって合格できるというわけではありません。また、ITパスポートを丸暗記の方法で勉強した場合だと、知識の深堀りの勉強が必要になります。

新しいグローバルスタンダード6バージョンでは、試験が難易度のレベルに分かれているのですが、出題範囲を見る限り、一番低いレベル1はITパスポートの6割程度、レベル2でITパスポート程度、レベル3ではもう少し高いかなという印象です。

IC3で勉強できること

IC3で勉強できることは次の通りです。

コンピューターの知識

コンピューターがどんな構造になっているかを勉強することができるので、パソコンのトラブルがあった時の対応がしやすくなります。また、パソコン購入の時の選び方もできるようになります。マウスやキーボードなどの周辺装置のことも勉強します。

ソフトウェアの知識

WindowsのようなOSと、WordやExcelといったアプリケーションソフトの関係性が分かることで、ファイルやフォルダーの操作ができるようになるという効果があります。Windowsの機能にも詳しくなり、パソコンをWordやExcelを使うだけの使い方から、パソコン全体を使う使い方にシフトすることができるようになります。実務では様々なアプリケーションソフトで様々な制作物を作成しますが、その時の読みやすい文書の形や色使いといったことも勉強することができます。

ネットとセキュリティの知識

家庭内や社内の小さな範囲のネットワークの繋がり方や、インターネットへどのように接続されているかという構造を理解することができるので、ネットワークが繋がらなくなったという時の対処ができるようになります。また、コンピューターを使っていると第三者の悪意によって情報を盗まれたりパソコン機器を壊されたりしますが、そのようなことに対応する知識も蓄えることができます。

IC3のバージョン

2022年8月にIC3の新しいバージョンである「グローバルスタンダード6」(GS6)が始まったことで、「グローバルスタンダード5」(GS5)とGS6の二つのバージョンが受験できる形になっています。GS6になってIC3の出題内容がかなり変更になっています。GS6では従来のGS5に比べて、上記でお話ししたようなコンピューター全体の知識によりマッチした内容になっています。

グローバルスタンダード5

従来のGS5では、IC3を認定されるには三つの試験に合格しなければなりません。「コンピューティングファンダメンタルズ」科目ではコンピューターの知識、「キーアプリケーションズ」科目ではアプリケーションソフトの知識、「リビングオンライン」科目ではネットとセキュリティの知識が問われます。

それぞれ1科目ずつ受験することができます。知識の試験と実技の試験がどちらも出題されます。

グローバルスタンダード6

新しいGS6では科目という考え方はありません。コンピューターに関するすべての知識が1つにまとまって、その上でレベルが3つに分かれ、それぞれのレベルの試験となっています。理解度に合わせて、どの難易度のレベルに挑戦するかを選ぶことができます。実技の試験はなくなり知識の試験のみになりました。3つのレベルすべてに合格すると「デジタルリテラシーマスター」に認定されます。

こんな人のステップアップにおすすめ

MOSと同じオデッセイコミュニケーションズ主催で、同じ試験システムを使っているので、MOS試験の受験を経験した方には、試験慣れをしているという意味でも、その先のステップとしてお勧めします。

現状の日本の仕事では、主にWord、Excel、PowerPointを利用するケースが多いことから、まずはMOSWordの一般と上級、MOSExcelの一般と上級、さらにMOS PowerPointに合格した後に、IC3の勉強を始めると良いかもしれません。いきなりIC3でパソコンの構造といった仕組みの話を考えると、チンプンカンプンになってしまうでしょう。それよりはMOSでパソコンとはこうやって使うとか、コピペは便利といったことを覚えるのが良いと思います。

履歴書に書けるの?

もちろん履歴書に書ける資格です。従来のGS5では3科目合格でIC3に合格認定されますが、履歴書には1科目ずつ書くことができます。GS6では合格したレベルとして書くことができます。

そこで、履歴書に書いたとき、採用する会社側にはどのように見られるでしょうか。実際のところ、認知度が高い試験ではありません。私が思うのは、内容はパソコン実務利用者としての証明としてこれ以上の試験はないと思っているので、認知度がこれから上がっていくことを願っているのですが、それにしても採用者がIC3の試験のことを知らなければ効果はありません。職務経歴書に資格としてIC3を書いたら、「コンピューターとインターネットの国際資格です。」のような説明を付けると良いかもしれません。また面接時にIC3を通してどんな気づきがあったか、などもアピールポイントになるのではないでしょうか。

ちなみに履歴書への正しい記載内容はIC3の公式サイトの「よくあるご質問」に書いてあります。

まとめ

IC3の試験について解説しました。

MOSはアプリケーションの使い方のスキルの試験、ITパスポートや基本情報処理試験は理論に基づいたコンピューターの世界の知識の試験、対してIC3は身近に目の前にあるパソコンをどれだけ理解して安全に使い倒せるかのスキルと知識の試験と言えます。

自分で買ったパソコンでも会社から与えられたパソコンでも、例えば10万円で購入したのであれば、今、ほとんどの場合、10万円の価値の分、使い切っていないと私は考えています。それをIC3で学んだ知識があれば100万円、1000万円の価値を持てるのです。

また、MOSで得たスキルの価値を、IC3でパソコン全体に広げることで、大きく価値を倍増できると考えています。

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