先日、家族が自分のAmazonアカウントにログインできなくなるという事件がおきまして、その経緯を確認していくうちに、ITに詳しく経験がある人は直感的に回避できるけど、そうではない人はとことんまで陥る行動パターンが見てきました。
こういった行動パターンはITに詳しい人は直感的にわかるので、なぜITに詳しくない人がそういう状況になるかわからない部分でもあると考えます。
しかし、ITに詳しくない人に詳しい人がパソコンのことについて教えなければ、ずっとその人はITに詳しくないままです。詳しい人にはぜひそうではない人たちが詳しくなれるように働きかけてほしいのですが、教えるにしても、どうして間違ってしまうのかが理解できなければ教えることも難しくなってくると思いますので、そういったときのためにこの記事を役立てていただければと思います。
パターン1・よく読まない
これは一番大きなパターンで、詳しい人でさえ陥ることもあると思っています。
ほとんどの場合、パソコンに表示される画面やダイアログボックスには、次に何をしてほしいかが書いてありますが、それを読み飛ばすパターンです。
うまくいかなければ電話で問い合わせてくださいと書いてある一文を読み飛ばすこともあります。
そもそも、問い合わせ画面で問い合わせるより電話で問い合わせというのはハードルが高いので、本能的に読み飛ばし、別のパターンでなんとかできないかと直感で行動してしまいがちです。
しかし、電話してしまった方が早く解決できるので、そういった一文を読み飛ばさないように、見逃さない訓練をします。
パターン2・書いてあることしかできない
パソコンの常識の範囲があって、例えば、ただのボックスにはクリックして入力する、下向き三角が表示されるボックスはそこから選びます。また、青い文字で下線がある文字はリンクです。
そのような常識とされる表示の意味を知らなければ、そういった操作方法は操作画面では表示されていないので、先に進むことができません。
わかっていたとしても、ここは入力していいのか?自信がなく先に進めないというパターンもあります。
ここは、パッと見たときにすぐにどれをどうするのかわかる程度のパソコンの常識の勉強が必要です。
パターン3・書いてあること以外はしてはいけない
書類ファイルを添付する操作ができる画面では、ボタンをクリックして書類ファイルを選びOKボタンをクリックします。
その時に複数の書類を添付しなければならないケースもありますが、書類を複数添付できると画面には書いていないので1つしか添付できないと思うケースがあります。
実際には複数のファイルを添付できるにも関わらず、書いていないのでやってはいけない、やるとおかしなことになる、と思っているケースもあります。
1つのファイルしか添付できないかもしれないし、複数できるかもしれない、それはやってみないとわからないことで、操作している人の判断で勝手にできないと決めつけるものではないということを理解してもらわなければいけません。
そのためにはまずやってみる、もし失敗したらもう一度やり直す、それだけの話だということを分かってもらうようにします。
パターン4・同意できない
パソコンやインターネットを使っていると、利用の同意の画面が出てきます。
そこに書かれていることは重要なことなのですが、一言一句読んでいけば当然10分以上かかるわけですが、それだけの時間をかけてすべて読むということを実際にしている人はどのくらいいるでしょうか。
いいか悪いかは別として実際にはさらっと30秒くらいで目を通して、そのサービスなり製品なりを使わなければいけないわけですから、やっぱりそれは最終的に同意するのですが、書いてある内容で理解できないところや同意できないところがあると、同意できずに使えないということになります。
こういったものに同意をすることが怖いことだという思い込みがあるようですが、使うのが必要であれば同意し使うということを覚えてもらわないといけません。
パターン5・自分の常識以外ができない
ネットに書いてあったことや、上司、先輩、同僚などから言われたことを自分の常識にしてしまい、それに反する行動ができないというパターンです。
その常識が合っているのか、しかし、目の前には先に進めなければならない画面も出ているし、でも、ネットには、これをクリックしてしまったら詐欺サイトに繋がってお金を取られてしまうと書いてあった。
このように、先に進めなくなるケースもあります。
ほとんどの場合において、例えばAmazonのような大手のサイトでURLがきちんと表示されていれば、リンクされたログインの案内画面などは間違ったものはないはずです。しかし、テレビではこのような画面が表示されたら詐欺のような情報だけを信じてしまい、先に進めないということがあります。
これは、詐欺サイトではないサイトは見た目でどのように判断するのかを知っていて、その知識に自信があれば回避できることです。
パターン6・はい・いいえの選択肢を選べない
パソコンを操作していれば上記の画面のように、何かをする、何かをしない、キャンセルの画面が出てきます。このような選択を迫られたとき、自分の判断でどれを選択すればいいか自信がなく選べないというパターンです。
この場合、本当にその内容がわからなければキャンセルしてくださいと私は言っているのですが、実際にキャンセルすると物事が先に進まないので、ここはきちんと自分が何をやっているのかを日本語でまとめる能力が必要になります。
今、Wordの書類を作成していて、突然予想外にこの画面が表示された、では、どう考えるのかということが重要です。今、Wordの書類を作成していた、このファイルの変更内容を保存しますかというタイトルの画面が表示された理由を考え、その時にまだ保存していなかったことを思い出し、それでこの画面が表示されているのかと思えるかどうかです。
特にタイトルに変更内容と書いてあるので、変更ではなく新規に作成したんだけど、と思ってしまい混乱してしまうというケースもあるので、そこはきちんと読み替えることができるようにならないといけません。
まとめ
常識の範囲内でできることできないことは、それぞれ個々で尺度が違いますし、当然ITスキルも個々で違います。そのような中でどのように考えていくのかを知ってもらうことが重要です。
まずITに関するいろいろな操作は間違えが起きないようになっているし、あとでそれを訂正もできるということを知ってもらう必要があると思います。
自分のように間違えて操作して一発でどうにもならないくらいに失敗に繋がるような操作ができてしまうのであれば、きっとほかの人も失敗しているし、それが多くなれば問題にもなるので、そういった操作画面はどんどんなくなっていくもの、だから目の前の画面は安全なのだという切り替えが必要です。
このような猜疑心と自信のなさ、勘違いが重なると、どうにも先に進めなくなります。先に進まないというのは失敗するよりも怖いことだと考えます。これはITスキルというより物事の考え方です。
世の中では、パソコンで間違える人に対しまだ厳しいと思っています。パソコンが使えないだけで、陰口を言われたり、それがきっかけで仕事が更にやりにくくなっていったりします。
残念ですが、それが現実ですので、パソコンが苦手な人は、苦手にならないように気持ちや考え方を切り替えていかなければならないですし、パソコンが詳しい人は、詳しくない人の気持ちや行動を考えて教えるということが重要だと思います。決してTwitterなどで否定する前に、その操作画面が間違いを起こすようにできていることを問題視してほしいと思います。
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