MOS365 Excel Expert出題範囲「RANDARRAY関数」解説

MOS365の出題範囲が発表になり、Excelの科目では新たにRANDARRAY関数が出題範囲に入ることになりました。RANDARRAY関数は指定した範囲にランダムな数値を求めるという一風変わった関数です。使い道もかなり限定されるので覚えにくい関数かもしれません。

今回はMOSの出題される範囲から、こういう使い方で使われるだろうという範囲で説明しています。

RANDARRAY関数とは

一般的にあまりランダムな数値を作るということはないのかもしれません。ランダムな数値は、予測やシミュレーション、またはゲームなどに活用されています。

例えばスポーツにおいて相手がどんな戦略でくるのかわかりません。ビジネスにおいても明日購入してくれる数も予測できませんし、投資においても市場が読めないことだってあります。そのようなときにデータがないから予測しませんということではなく、何らかの値を当てはめてどうなるのかを試すということが必要で、そのようなときにランダムな値を使うのです。

また、私のようなExcelの課題を作る場合、売上個数や売上数量などのダミーデータが必要になります。そのようなときにもランダムな値が必要になります。

Excelには0から1の間のかなり細かい小数点以下のランダムな数値を求めすRAND関数、指定した範囲のランダムな整数を求めるRANDBETWEEN関数があり、それらの関数の最も優れている関数がRANDARRAY関数です。

また、RANDARRAY関数は1つ入力するだけで、範囲に対してランダムな数値を作成できる、スピル機能を使った最新関数でもあります。スピルを使っているのでテーブルが設定されている範囲では使うことができません。

RANDARRAY関数の書式は次の通りで、かなり細かい設定ができます。

=RANDARRAY(範囲の行数,範囲の列数,値の最小値,値の最大値,整数かどうか)

全部で5つの引数がありますが、ひとつも指定しなくてもよい、面白い関数です。

ひとつも指定しないと0から1の小数点以下のランダムな数値を求めます。

=RANDARRAY()

5つの0から1の小数点以下のランダムな数値を求めます。

=RANDARRAY(5)

5行3列の範囲に-10から10までのランダムな数値を求めます。

=RANDARRAY(5,3,-10,10)

5行3列の範囲に-10から10までのランダムな数値を求めます。

=RANDARRAY(5,3,-10,10,TRUE)

RANDARRAY関数の予想問題文

MOSではRANDARRAY関数はどんなシチュエーションの問題か、予想がつきません。会社のこれからの予想シミュレーションで出題されるとしたら、それこれ会社の経営をわかっていないと何を指しているかわからなくなります。しかし、ある職業に就いていないと不利になるような試験ではないため、もしシチュエーションがそうだったとしても、そこに囚われすぎないように問題文を把握すればよいのではないかと思います。

また、整数かどうかを指定できますが、FALSEを指定しても無指定でも、小数点以下の数値を求めることになるという2つの答えが存在してしまうので、強い予想ではないのですが、指定が必要な整数で出題される可能性を予想しています。

  1. セルB2に縦方向に3つのランダムな数値を関数を使って求めてください

=RANDARRAY(3)

ポイントはセル「セルB2に縦方向に」と書いてあるところで、セルB2から下に3つのランダムな数値を求めるならば、セルB2にRAND関数を使って、それを下方向にドラッグすればいいのですが、その場合は「B2からB4のセル範囲に」と出題してくるものと思われます。一つのセルに対して複数の範囲に求めるというのはスピルを使うRANDARRAY関数と読み取れます。

これは多分、このシートを見ると混乱してしまうので、本当はMOSの試験は後々の勉強のためにシートをよく見た方がいいのですが、例外的に問題文だけを見て回答します。

ただ、この問題のシートを作っていて、このような0から1の間のランダムな数値を使うようなシチュエーションは難解なものになるので、整数を使ったものになるのではないかという思いを強くしました。

  1. 作成した計算書が正しく計算されるかを確かめるために、セルB2に縦3行、横4列に0から10のランダムな整数を関数を使って求めてください。

=RANDARRAY(3,4,0,10,TRUE)

このシチュエーションの問題は大きくあると思います。これは何らかの競技のデータですが、学校のテストの点数などもありえると思います。

RANDARRAY関数が出題される試験

RANDARRAY関数が出題されるのはMOS365 Excel Expert(上級)です。MOS365 Excel Associate(一般)では出題範囲に入っていません。またMOS365より前のバージョンでも当然出題されません。

まとめ

RANDARRAY関数はなかなか実際の仕事の中で活用できる関数ではありませんが、なぜMOSの出題範囲に入っているかというと、幅広いExcelの知識を持っていてほしいということなのだと思っています。財務関数のNPER関数なども、よほど専門の人しか使っていない関数なのですがMOSの出題範囲内です。このことからMOSの特にExpertを取得している人は、普通に使うより余裕を持った幅広い知識を持っていることを期待されますので、RANDARRAY関数やNPER関数を通して「どんな関数でも使える力」を勉強しておいてほしいということだと考えています。つまり、RANDARRAY関数の使い方ではなく、関数全体の使い方を問われていると思いますので、RANDARRAY関数に限らずこれから出てくる関数についても、使えるようになっていないといけないと思っています。

関連リンク

  • MOS365試験概要(公式サイト)
MOS 365 試験概要|MOS公式サイト
  • RANDARRAY関数解説(Microsoft公式)
RANDARRAY 関数 - Microsoft サポート
0 から 1 までのランダムな数値の配列を作成するための RANDARRAY 関数について説明します。 RANDARRAY は、動的配列と呼ばれる関数のクラスに含まれます。
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