Excelが嫌われる理由

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Excel、使いにくいと感じる人もいるかもしれませんね。あの数式や関数の複雑さ、ちょっとした操作ミスで結果が変わってしまう不安感、そしてプログラミングが必要なのか?といった戸惑いもありますよね。Excelの魔法使いを名乗っている僕も、もちろん初めはExcelに苦労しました。

数式を組み立てるたびに、『これって合っているのかな?』と不安になりながらも、試行錯誤していました。また、マクロやVBAの知識がないとExcelの真価が発揮できないと聞くと、どうしても手を出すのに躊躇してしまうものです。

Excelって、使いこなすにはちょっとしたコツや考え方の切り替えが必要なのですよね。その習得をするには勇気とやる気が必要です。それは人によってはものすごくエネルギーを使うことかもしれません。

私がExcelを教える中で、Excelが嫌い、Excelを使いたくないと言われたケースを思い出し、その内容をまとめてみたいと思います。

Excelの数式が使いにくい3つの理由

Excelを嫌いになる理由の中でも、数式や関数の複雑さが大きな要因となっていることは間違いありません。Excelの数式や関数は、初めて使う人にとっては理解しづらく、使い方を把握することが難しいと感じることが少なくありません。その複雑さによって、Excelを使いこなすことが苦手な人が増えているのです。

書き方の複雑さ

Excelの数式は特有の書式で記述されるため、初めて目にするとなかなか理解が難しいものです。数式を組み立てる際には、セルのアドレスや演算子、関数名などを正確に入力する必要がありますが、誤ってしまうことがありますよね。一度ミスが出ると、正しい数値が得られないだけでなく、時間を無駄にしてしまうこともあります。

関数の種類と使い方

Excelには数多くの関数が存在し、それぞれが異なる用途で利用されます。初心者にとっては、どの関数を使えばいいのか、どう設定すれば良いのかが分かりにくいことがあります。例えば、SUM関数を使う際には範囲を指定する必要があるのですが、どのセルを含めるべきかを間違えると意図しない結果が出てしまうこともあります。

複雑な演算と条件処理

Excelでは、数式内で複雑な演算や条件処理を行うことができますが、これらを使いこなすには一定のプログラミング的な知識が必要で、初心者にとっては敷居が高いと感じることも少なくありません。

Excelのプログラミング的な要素による拒否感

Excelにはプログラミング的な要素が必要で、それが難しいと思う原因になっています。実際にプログラミング的な要素がゼロでExcelが使えるかというとそうではないので、それがExcelに対する拒否感になるかもしれません。

Excelの計算式には順番が必要

Excelの計算式は、数値を計算したり結果を変えたりするための書き方ですね。数式を組み立てる際には、数値や演算子(+、-、×、÷など)を使って、計算したい内容を順番に書いていきます。

ここで、掛け算より足し算の方が、優先順位が低いという話を考えてみましょう。例えば、A1に2が入っていて、B1に3が入っているとします。それでは、A1×B1+5という計算式を考えてみます。

この計算式では、まずA1とB1を掛け算してから、その結果に5を足し合わせることになります。したがって、A1×B1の計算結果が先に求められます。A1が2、B1が3なので、A1×B1は2×3=6となります。それから、この結果に5を足し合わせると、6+5=11となります。

つまり、Excelは掛け算よりも足し算を優先するのです。このように、計算式を組み立てる際には、掛け算や割り算よりも足し算や引き算が後に評価されることを考慮する必要があります。計算結果を正確に求めるために、あらかじめ順番に考えていく必要があり、これがプログラム的な思考が必要だと言われています。この例は四則計算の例でしたが、関数が入るともっと複雑になっていきます。

80点を超えていたら合格にする

Excelの計算式を使って、条件によって結果を変えることができます。例えば、A1に入っている数値によって、合格か不合格かを表示したいとします。

この場合、Excelでは条件に応じて結果を表示するための特別な機能があります。条件式を使って、A1の値が100以上かどうかを判定し、それに応じて『合格』か『不合格』を表示します。

具体的には、A1の値が100以上ならば『合格』、100未満ならば『不合格』と表示するように設定します。Excelの計算式では、このような条件判定を行うための関数がありますが、この条件で分かれるというのが、プログラム的思考となります。

間違っているか確定しないとわからない

単純な計算式なら問題なく入力できますが、確定してからではないとエラーが出ることは本当に嫌な一面です。特に複雑な計算式ではそれが大きく影響します。

複雑な計算式を組み立てる際には、いくつもの数値や演算子、関数を組み合わせる必要があります。そして、一部の入力が抜け落ちたり、数値の順番が間違っていたりすると、正確な結果が得られないことがあります。

しかし、Excelは確定するまでエラー表示が出ないため、入力中はどこに問題があるのかを一目で確認することができません。複雑な計算式を組み立てる過程で、正確性に対する不安を感じてしまうこともあります。

Excelの操作による不安とミスへの恐れ

Excelの操作による不安とミスへの恐れは、Excelが嫌いな人が抱く理由の一つです。Excelは強力なツールであり、多くのことができる反面、初心者にとっては操作が複雑であったり、誤ってデータを編集してしまうリスクがあったりすることが不安を引き起こす要因となります。

複雑なインターフェースに戸惑い、必要な機能が見つけられない

Excelを初めて触れる初心者にとって、Excelの複雑な性質は戸惑いや不安を抱かせる要因となります。まず、見慣れないインターフェースに直面することで、どの機能がどこにあるのか見つけることが難しくなります。初めてExcelを開いた時に、膨大なメニューやリボン、ツールバーが目に飛び込んできて、何をどう操作したらいいのか分からないという感覚を持つ人も少なくありません。

Excelは様々な機能が豊富に備わっている反面、その多様性ゆえに必要な機能を見つけることが容易ではありません。初心者は、素早く目的の機能を見つけることに苦労し、使いたい機能が見当たらないという状況に立ち往生してしまうこともあります。このような状況では、自分の目的に合った操作手順を理解するまでに時間がかかり、Excelが使いにくいと感じることがあります。

大量のデータを扱う際にエラーが発生しやすいと不安を抱く

さらに、大量のデータを扱う際にはエラーの発生が心配な要因として挙げられます。Excelは表計算ソフトウェアとして強力であり、大量のデータを効率的に処理できることが魅力です。しかし、データの入力や編集においてミスが生じることは避けられない場合もあります。初心者はデータの正確性を確保するために、入力内容を丁寧にチェックする必要がありますが、膨大なデータの中で細かなエラーを見つけるのは難しいと感じることがあります。

計算の誤りに気づきにくく、信頼性に不安を感じる

また、Excelの計算式は誤りに気づきにくいという問題も初心者が抱える要因です。複雑な計算式を組み立てる際には、入力ミスや数値の順番の間違いが見逃されることがあります。初心者はExcelの機能や数式の組み立て方に不慣れであり、計算の正確性を疑問視しつつも、具体的な原因を特定することが難しいと感じることがあります。計算の誤りに気づきにくいという点は、Excelの信頼性に対して不安を抱く一因となるでしょう。

過去の経験によるExcelへのネガティブな感情

Excelへのネガティブな感情は、過去の経験によるものであり、特に他人から指摘された際には強く影響を受けることがあります。初心者にとって、Excelを使いこなすことは簡単なことではなく、誤りやミスを犯してしまうこともあるでしょう。そうした失敗や間違いに対して、他人から指摘されることは自信を傷つける要因となります。

他人から指摘されることは、初心者にとってプレッシャーとなり得ます。Excelの使い方がまだ不慣れな状態で、誤りを犯してしまった場合、自分の無知や未熟さを感じることでネガティブな感情が生まれることもあります。他の人と比較されたり、ミスを指摘されたりすることで、「Excelが苦手だからダメなんだ」という否定的な自己評価をしてしまうかもしれません。

過去にExcelを使ってトラブルを経験したことがあり、嫌悪感が残る

Excelを使ってトラブルを経験した事例として、次のような例が考えられます。

ある日、大切なプロジェクトの進捗管理データをExcelで管理していました。数週間にわたり集めてきたデータや計画書を入力していたのですが、作業が疲れてきた頃に誤ってファイルを閉じてしまいました。その時点では気づかず、他の作業に移ってしまったのです。

数日後、進捗データの更新を再開しようとファイルを開いたところ、以前のバージョンのファイルしか存在していませんでした。それまでの数週間分の入力が全てなくなっていたのです。慌ててバックアップを探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。

このトラブルの結果、数週間分の集中的な作業が水の泡になり、時間と労力が無駄になったことに非常に嫌悪感を抱きました。また、この一件が原因でプロジェクトの進行にも影響を及ぼし、チーム全体に迷惑をかけてしまったことも心苦しく感じるということがあります。

その結果、Excelが嫌いになることもあるでしょう。

使いこなせなかった経験があり、Excelに対して自信を持てない

先日、新しいExcelファイルに取引先からの注文データを入力しようとしました。しかし、取引先から送られてきたデータと既存のExcelファイルに入力されているデータを比較する作業で、うまく進めることができなかったという事例があります。

まず、データが膨大で、どこから手をつけていいかわからない。取引先からのデータは複数の列にまたがっていて、どの列が何を意味しているのかも分からない状態。既存のExcelファイルに入力されているデータも複雑で、情報が重複している場合もあり、一致させるのが難しいと感じた。

また、Excelの関数やフィルター機能などの使い方もよく理解できていなかったため、データの整理が上手くいかず、間違った情報を掴んでしまったり、大切なデータを見落としてしまったりするという例です。

この作業を続けるうちに、Excelが苦手なだけでなく、自分にはできないという思い込みが強くなり、Excelを使うのが嫌になるということも理解できます。

他のツールの利用に対する快適さと安心感

Excel以外のツールの方が安心する場合もあるでしょう。今、Excelではないものを使っているのなら、なぜここにきてExcelを使う必要があるのが、疑問に思うのは確かです。私もはじめはExcelではないツールの方が、グラフが作成しやすかったし、マクロで自動化もExcelではないものでマクロを作成する方が簡単でした。そのような背景から、Excelではない他のツールを選択した方がよいと考えることもあるでしょう。

Excel以外のツールや方法で仕事がうまくいっているため、Excelを使う必要がない

今使っているツールですべての仕事が完結している場合、わざわざなぜExcelを導入するのかわからないです。

もし、既に他のツールや方法で仕事がうまくいっている場合、Excelを導入する必要性を疑問視するのは理解できることです。

現在使用しているツールが、必要な機能や要件を十分に満たしているのなら、Excelを導入するメリットを見いだせません。他のツールでデータの管理や分析がスムーズにできているなら、Excelは不要でしょう。

Excelに比べて他のツールの方が直感的で使いやすいと感じる

今行っている仕事では、Excelを使わなくても直感的な操作ができています。しかし、Excelを導入したことにより、直感的な操作ができなくなるかもしれません。

Excelを導入することにより、現在直感的に行っている仕事の方法が崩れる可能性があります。既に使い慣れている他のツールや方法ではスムーズに業務を進めているため、Excelの導入による直感的な操作の喪失は業務の効率を低下させるおそれがあります。

それであれば従来のツールを使った方が安心です。

Excelの時間と労力に対する不満

Excelを使いこなすには学習や時間が必要で手間がかかると感じる

Excelを使いこなすには学習や時間が必要で手間がかかると感じる一方で、現在のツールや方法で十分な結果が得られていると確信しています。Excelを使うことで、新たに複雑な操作を覚えなければならないし、ミスを犯すリスクも高まるかもしれません。私たちの仕事は効率的に進行しており、現在のツールで直感的な操作が可能です。そのため、Excel導入には大きなメリットがないと感じることも理解できます。

Excelによるデータ処理や計算が手動よりも時間がかかると感じる

手動処理では、直接データを入力したり、計算を行ったりするため、一つ一つの作業を迅速に行うことができます。一方、Excelを使用する場合は、データの入力や関数の設定など、多くの手順が必要です。また、Excelファイルの読み込みや保存にも時間がかかることがあります。

そのため、ある仕事においては、単純な計算が必要な場合には、Excelよりも他の効率的なツールを選択する方が効果的だと感じています。Excelは一般的なデータ処理には適しているかもしれませんが、ある業務においては、手動処理の方が迅速かつ効率的であることが多いのです。

まとめ

今回はExcelの専門家として、Excelのこういうところが嫌いだなとか、初心者の方が使いたくないと思うのはこういうところだろうなということを、私のいろいろな方へお教えしてきた経験を思い出して、書いてみました。

Excelが苦手な気持ちは誰もが思うことがあるし、私自身、それは理解しているつもりです。複雑な数式や操作のミス、プログラミング的な要素に戸惑い、他人からの指摘による自信の傷つきなど、Excelが初心者にとっては厳しい壁となることもあるでしょう。

しかしそれでも、Excelには希望があります。Excelを使いこなすためには、少しの工夫や学習が必要かもしれませんが、その努力は無駄ではありません。Excelの数式や関数の複雑さを乗り越えれば、情報整理や効率的な計算が手軽に行えることがわかります。

また、Excel以外のツールでうまくいっている場合でも、Excelを学ぶことで新たな可能性が広がるかもしれません。Excelの強力な機能や豊富な用途は、さまざまな業務に活かすことができるでしょう。

Excelへの嫌悪感を乗り越えるためには、自分のペースで学び、少しずつ使い慣れることが大切です。Excelを使いこなすことで、自分の仕事をより効率的に進めることができ、成果を上げることにつながるでしょう。

Excelは確かに挑戦的な側面もあるかもしれませんが、その向こうには充実感や達成感が待っています。Excelとともに成長し、新たなスキルを身につけることで、より一層仕事に自信を持てるようになることでしょう。だからこそ、Excelへの希望を持ち、前向きにチャレンジしてみる価値はあるのです。

この記事を読んだ後はExcelはなぜビジネスで使われているのかの記事もご覧ください。Excelを活用するヒントになると思います。

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